鐵龍とK氏
まだ、6時30分にもなろうともしていないが、外はもう漆黒の闇に包まれている。ここは、T通商13階にある社員用レストラン。私の胸には来客用の入館バッジが重々しくぶら下がっている。会議を終えた男達を明るく迎え入れてくれた受付け嬢の笑顔が眩しい。
再開発が進む駅界隈にたたずむこの本社ビルから見る夜景に、溶け込むように映る「鐵龍」の味は格別である。
T通商K支店に勤務するK氏ご自慢の「鐵龍(てつりゅう)」。「鐵龍」は錦灘酒造(株)が2年半ほど前に新開発した6種類の商品のひとつ。
720mlの芋焼酎で度数は35度。深くまろやかな味だ。
京都の高級料亭でも出されているようだが、購入することも可能なようだ。
退社時間を過ぎてしまったのか、あの受付嬢の姿はもう見えない。返却箱に沈み込む入館バッジが乾いた音を響かせて「鐵龍」に酔いしれた五人の男達を陽気に送り出してくれる。
時間はまだ早い。男達は余韻を楽しむようにさらなる安らぎを求めて夜の帳に中に消えて行くのであった。K氏と良き仲間達に感謝。
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